【かかりつけ医機能】
1.患者中心の医療の実践
2.継続性を重視した医療の実践
3.チーム医療、多職種連携の実践
4.社会的な保健・医療・介護・福祉活動の実践
5.地域の特性に応じた医療の実践
6.在宅医療の実践
1.患者中心の医療の実践
医療においての治療方針の決定は、患者にとっての最善を考えて行わなければいけないのは言うまでもないことですが、本人の意向と医療的な推奨と家族の意向が一致しないことはしばしば起こります。特に意識障害や認知症の患者さんにおいては、本人の意向をきちんと確認して本人にとっての最善を考えなければいけません。
院長は、患者中心の医療の実践のために、院長は2018年に患者の意向を尊重した意思決定支援のための指導者研修会修了、2021年に本人の意向を尊重した意思決定のための研修会-在宅医療・施設ケア従事者版相談員研修会を修了し、臨床の現場で本人にとっての最善を考える医療を行なっています。
また、患者さん本人にとっての最善の医療・ケアが受けられるように、全国各地でACP:アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)の研修、講演を行っています。
これまでのACP講演実績
佐賀市、鹿島市、鳥栖市、嬉野市、唐津市、小城市、神埼市など
県外:長崎市、佐世保市、諫早市、島原市、久留米市、柳川市、大牟田市、熊本市
九州外:観音寺市 オンラインでの研修も多数
2013年より日本尊厳死協会さが会長、2018年より日本尊厳死協会本部学術研修担当理事として、日本の代表的な事前指示書であるリビング・ウイルの普及啓発に努めています。
患者さんの意向とご家族の意向、また医師の方針が食い違う場合、患者さんにとっての最善を考える際、どうしても外せないのが倫理的配慮です。倫理問題を考えるために、院長は日本臨床倫理学会の臨床倫理士の資格を取得しています。
2.継続性を重視した医療の実践
継続性を重視した医療の実践のために、高齢や脳血管障害、認知症、がん等の病気で通院が困難となった患者さんには、訪問診療を行なっており、通院が困難となった患者さんの医療の継続性を大事にしています。また、住み慣れて家で最期まで過ごしたいと言う患者さんの在宅緩和ケアを行い、看取りまで行なっています。
当院は佐賀大学医学部附属病院、県立医療センター好生館、NHO佐賀病院、JCHO佐賀中部病院などと連携し、紹介及び逆紹介を行っています。当院では治療困難な病状の患者さんは基幹病院へ紹介し、治療や検査が済んだ時点で当院へ逆紹介いただき治療を継続しています。
また、佐賀大学医学部病院、NHO佐賀病院、NHO嬉野医療センターの研修医の研修先として地域医療の研修、また日本プライマリ・ケア連合学会の認定薬剤師資格取得のための研修を行い、次世代への地域医療の担い手を育成しています。
3.チーム医療、多職種連携の実践
病診(病院-診療所)連携・診診(診療所-診療所)連携
人は高齢になればなるほど、一人で複数の病気を抱えることが多くなります。一人で内科、整形外科、脳神経内科、眼科、泌尿器科など複数科にかかることは稀ではありません。当院ではかかりつけ医としてなるべく当院で対処できる範囲の疾患は当院で対処し、専門領域の診療が必要な場合はそれぞれの専門の病院あるいは診療所へ紹介しています。
多職種連携
在宅医療においては、痛みや不快な症状をコントロールする緩和ケアの知識や認知症対応能力、のみならず、また地域における多職種とのネットワーク、連携が求められます。当院は佐賀県医療センター好生館をはじめとする緩和ケアの医師たちと普段から密接な連携をとっています。
院長は2010年に医療・介護・福祉に関わる多職種のネットワーク、「在宅ネット・さが」を立ち上げ、代表を務めました。年2回の市民公開講座や、2ヶ月に一度の症例検討会を開催して、2冊の佐賀県在宅療養ガイドブックを出版しました。現在は活動を休止中ですが、この間に培った多職種連携のネットワークは佐賀県全域に及び在宅医療・ケアにおいて大変役立っています。
4.社会的な保健・医療・介護・福祉活動の実践
地域においては、地元の大和町地域包括支援センターおたっしゃ本舗やまとで自立支援型地域ケア会議に参加し指導しています。
また、地元の大和中学校の校医を20年つとめ、学校保健活動に携わっています。
コロナ禍においては、佐賀県医務課の依頼を受けて、可能な時は休日や昼夜を問わず、在宅療養中のコロナ患者さんの往診や電話診療を行なっています。
5.地域の特性に応じた医療の実践
佐賀市大和町近辺は、全国的な傾向の中で高齢化が進み、一人で複数の病気を抱える患者さんが多く、また独居、夫婦二人の世帯も増えており、認知症等で介護が必要な人も増えています。そうした方々が安心して暮らせるように、おたっしゃ本舗(地域包括支援センター)と連携をとりながら、適切な介護が受けられるように支援をし、通院が困難になれば訪問診療で対応しています。